Research
重要構造物の設計において、爆発・衝突などの衝撃作用に対する安全性を確保することの必要性が増大しています。特に、鉄筋コンクリート版のすぐ近くで爆発が起きた場合や、鉄筋コンクリート版に硬い物体が高速度で衝突した場合には、作用を受けた面よりも反対側の面が激しく損傷します。これをスポール破壊と呼んでいますが、これに伴って発生したコンクリート片は高速度で飛散しますので、建物内部の人命を守るためには、このスポール破壊を抑止・低減する必要があります。そのための技術開発を当研究室で行っています。また、近年では非構造部材の損傷低減技術についても検討を開始しています。
スポール破壊の高速度画像(側面から撮影)
スポール破壊の3次元数値シミュレーション(1/4モデル)
鉄筋コンクリート版の接触爆発試験
ガラスの近接爆発試験
高速衝突実験に用いる一段式火薬銃
高速衝突によるコンクリート版の破壊
持続可能な社会を実現するためには、性能に劣る構造物や、損傷等が生じた構造物を安易に建て替えるのではなく、適切な補修・補強を施すことで永く大事に使っていくことが大切です。また、構造物の新設段階で高い性能を付与することも、その構造物の長寿命化を図る上で有効な手段となります。それらを可能にする技術として、当研究室では、各種の長・短繊維を用いたコンクリート部材の補強技術や、甚大な損傷を受けた鉄筋コンクリート部材の補修技術等について検討を行っています。
鉄筋コンクリート梁の配筋作業
SIFCONプレート製造
SIFCONプレート貼付による鉄筋コンクリート梁の補強
エポキシ樹脂によるひび割れ注入補修
鉄筋コンクリート梁の曲げ載荷試験
マイクロスコープによるひび割れ観察
環境に優しい社会の構築に貢献するため、環境配慮型コンクリート技術について研究しています。比較的最近扱った研究テーマは、①クリンカーフリーの海中グラウト材の基礎物性とそれを用いたサンゴ移植技術の開発、②水質浄化を想定したポーラスコンクリート植栽基盤による水生植物の抽水栽培、③スラグ石こう系結合材を適用したポーラスコンクリートの緑化性能、④ポーラスコンクリートの曲げ・引張強度に及ぼす部材の寸法効果、⑤残コンから製造した団粒ポーラスコンクリートの基礎物性など。
ポーラスコンクリートの製造
ポーラスコンクリートの植栽実験
河川でのポーラスコンクリート植栽実験
ポーラスコンクリートの吸音特性試験
ポーラスコンクリートの曲げ強度試験
環境配慮型水中グラウト材を用いたサンゴ移植実験